動物病院でのペット医療トラブル

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獣医療過誤相談室へ届いた相談の中で、解決した事例からご紹介させて頂きます。
現在抗争中、まだトラブルが解決していない事例については、解決後の掲載となります。

獣医療過誤相談 事例9

(相談者 福岡県 女性I様)

福岡県 動物病院で注射後急死した子うさぎの事例
少し様子が気になり動物病院へ。
動物病院へ行くまでは餌も良く食べていた。
動物病院では診断が付かないまま2本の注射。
帰宅途中にもがき苦しんで死亡。
動物病院での対応には納得行かずカルテを求めたところ破棄したとのこと。



◆動物 子うさぎ 2004年6月9日生

◆診察日及び死亡した日 2004年9月13日 (生後3ヶ月と4日)

◆病院へかかるまで。

 診察日の10日位前から、寝ている時の呼吸が荒く、ぜいぜい、ヒュウヒュウ、言っており、体を触るとビクッ、ビクッとするようになり、耳を触ったところ、冷たくなっていたので、風邪をこじらせてしまったのかな(13日は鼻水が出る)と思い病院へ。

◆この病院を選んだ理由

タウンページに大きく「小動物専門」と書いてあり、小鳥を診て貰ったことがあったからです。
(2羽のうち、1羽はダメでしたが、もう1羽は回復)

◆診察中のやり取り。

 先生(院長と女獣医師)へ、前記の症状と、生後1ヶ月くらいの時に、一度だけ、うさぎが寝ている時弓なりになり、痙攣したことがある、と答えました。
また、成長期が、初夏でしたので、朝から夜まで、殆どクーラーをかけっ放しだったことも。
(人間でも寒く感じるくらい低温で、そろそろ温度を上げようとした時でした。また、家で生まれた3匹のうち、この子だけ、痙攣したので少し弱い子なのかな、くらいにしか、思ってませんでした。)
 食事もちゃんと、食べてました、病院へ連れて行く前まで。

◆診察結果と処置

 院長が言ったのは、(体の触診なし、耳だけ触る)
 「高熱が出ている、痙攣したのがポイントだね、でも、一時的なものかもね?びくびくしているのは、異常な興奮状態だね、えさは異常に食べてない?攻撃的な行動はない?」でした。
 私は「えさは異常になんて食べてません、攻撃的ところはないです」と答える。
以後、されるがままに、「2本注射を打ちます、これは、骨髄に効く注射だから・・
もし、これで効き目がなかったら、別な治療をします」と、注射2本打たれる。

◆死亡までの様子とその後

治療費を払い、帰宅途中の車の中で、ぴょんちゃんは狂ったように、もがき苦しみ、きゃーと奇声と上げ、小さく息をして死んでしまいました。
注射後、30分くらいでした。
 うさぎといえども、失った悲しみは、言い尽くせません。
(後でですが、すぐに、病院へ戻るということをしなかったのか、後悔するばかりです。)
 翌日、この動物病院へ、死亡したことを報告。
 電話で応対した、院長の言葉が今でも、忘れられません。

 「注射を打っても、大丈夫かなと思ってたんだよ。あれは、様子見の注射だったんだよ、心臓がもたなかったんだね。でも、運良く、生き長らえてもね、下半身不随になったり、EZになったりするんだよ。」と。

 私は素人です、動物の医療知識はありません。
敏感で弱い、うさぎに、どうして注射なんてしたんだろう、、悔しさが込み上げてきます。
 骨髄の注射と言ったと思えば、様子見の注射と言ったり、、、本当は一体、何の注射だったのだろう。
そんな気持ちで毎日を過ごしていました。
 昨年末、その動物病院のHPを目にする機会があったのです。
 そこで、どんな医療行為を行ったのか、メールしてみました。
 以下がその答えです。

=============================

治療の件で、メールを頂いて23日にお返事をお送りしたのですがメール届いていなかったのでしょうか。
申し訳ありませんでした。
再度送ってみます。

カルテを確認したところ、初診時の状態は 高熱、神経過敏(ビクビク・異常興奮)
生後1ヶ月時にも痙攣をおこした 鼻水、呼吸音(キューキュー)とあります。
食欲はあったのですね。
以上の症状から、細菌感染による髄膜炎・脳炎 エンセファリトゾーンなど原虫による髄膜炎・脳炎 肝性脳症(血管奇形により神経症状がでます) その他脳神経疾患(先天的なものも含みます)などが疑われました。

この時点では、以上の病気のうちのどれかという診断はつかないため、注射は抗生物 質と消炎剤、強肝剤とビタミン数種の2本を打つことにしました。

抗生物質:ビクタス(ウサギに最もよく使われる安全な抗生物質です)

消炎剤:プレドニゾロン(ステロイドです。神経症状があるときなどはよく使用します)

ビタミン:ATP、ビタミンB1、カルニチン、ミノファーゲン

ただ、現していた症状がかなり重症だったため、いずれの原因にせよ脳神経に大きなトラブルが起きていたことが考えられます。
残念なことですが、当日亡くなったという結果からみても、注射治療で反応しないほど重症であったことがわかります。
一般的にあまり多い病気とは言えないので、予防はよほど気をつけて見ておいても難しいかもしれません。
先天的な問題があった可能性も高いです。
ウサギは生態系の下部に属するので、病気を隠そうとする傾向が強いのが特徴です。
判りやすい症状であれば、早期発見も可能ですが、ぴょんちゃんのように神経症状の場合はそれも困難でしょう。
なにかご質問等ありましたら遠慮なくご連絡下さい。

I動物病院 獣医師 I

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◆電話もかかってきましたが、何を言っても、(分量を間違ったのでは?)
「適量です、うさぎは悪いところを隠す動物だから」の一点張りでした。
回復すると思っていたのに、30分で死ぬなんて、とても悔しいです。
健康な親うさぎから生まれているのに、遺伝なんて信じられません。
これって、医療ミスじゃないんでしょうか?




こんばんは

獣医療過誤相談室 管理人の野上さやかと申します。
獣医療過誤相談室へのメールを受信致しました。

当サイトのアドバイザー獣医師に転送いたしますので、回答をお待ち下さい。

当サイトのアドバイザー獣医師は現役の開業獣医師で、通常診療を行いながらのボランティアですので、動物病院の状態などによって、多少、返答にお時間がかかることがございますが、何卒よろしくご了承頂きたいと思います。

よろしくお願い致します。

原因は分かりませんが、注射後30分で死亡ということですから、注射との因果関係も無視は出来無いと思います。

薬品名や投薬量などお分かりになりましたら教えて下さい。

またEz(エンセファリトゾーン)でしたら斜頚や眼振、運動能力の低下、神経症状などの症状が出ることが多いですがその点はいかがだったのでしょうか?

スナッフルの可能性もあるように思えるのですが、その点は何かお話はあったのでしょうか?

獣医療過誤相談室 野上さやか




相談室へメールしました、Iと言います。
ご返信ありがとうございました。

今、動物病院へ行ってきました。
メールと電話対応した獣医師は、直接うさぎを見て貰ってないのです。
ですから、メールでは「EZなど」疑われる限りの病名を書いていたようです。
ですから、うちのうさぎは、斜頚や目の振動、運動能力の低下は、もちろんなかったです。
直接診たのは、院長と別の獣医師です。

院長に説明を求めました。
「何度も言ってきたように、前と言ったことと同じだよ、注射によるショックと病院への行き帰り耐えられなかったこと、肺も耐えられないくらい、悪かったってこと」
注射の分量を聞いたところ、それは・・と、言葉を濁しながら、

「抗生物質(ビクタス)0.1、消炎剤(プレドニゾロン)0.1、ビタミンATP・ビタミンB1・カルニチン、ミノファーゲン0.1」この数値、本当にカルテも見ないで、記憶してたんでしょうか・・
カルテの提示を求めたら、締まってあるので、後で取りにきて、とのこと。

あと、「うちはうさぎを何十匹も診てきている、癌で3日後に死んだ子もいる、だけど何にも言ってこないよ、うるさいね、こんな丁寧な治療をしているのに何がしてほしいんだ・・」
そういって、カルテやレントゲンを見せてました。
心根は、謝罪と責任を取って欲しい・・でも、言えませんでした。

やっぱり、うちの子自身の問題で、仕方のないことだったのでしょうか・・・・
カルテは、もらい次第、送りたいと思います。

追伸:
脊髄に効く注射って、ビタミンの注射って、本当ですか?
詰め寄ったら、院長がそう言ったので。




なんともいえないです。
医療ミスを疑っているみたいですが、可能性は低いと考えます。
ウサギにも注射もすれば点滴もします。
麻酔もかけますし何をやったらだめということはないと思います。
そして、経口薬を使用するよりかは確実ですし、そのような重度の症状が出ていたのなら注射を打つのは問題はないでしょう。
注射薬に関しても、ビクタスならば問題はないと思います。
そしてビタミン剤やステロイド剤なども問題ないと思います。
あえて言うならば痛みが強いものが含まれていたならば痛みに対してショックを起こすかもしれません。
しかし、それは個体差の範疇にはいってしまうかもしれません。

ウサギさんはぎりぎりまで症状をかくしますから、実際相当悪かったのではないかと思います。
そして病院というストレスを受けたことや痛みによるストレスで最後の一線を越えてしまったのではないかと考えます

獣医療過誤相談室アドバイザー獣医師




率直に述べて、医療ミスとは言えないでしょう。
ウサギへの注射は、食欲低下の時のリンゲル注射が中心ですが、しばしばします。
うちでは、ウサギ、モルモットではうつ前に、 「ストレスに弱い動物だから、うつことによってストレスはどうしてもかかる。
注射をすることによるメリットとデメリットとどっちが大きいかだけど、どうしましょう?」
と言って、飼い主さんに決めてもらっています。
有無を言わせずにうって状態が悪化したら、こっちのせいにされるからです。

ウサギ、特に幼弱個体では、急変の可能性は十分にあります。
それを伝えていなかったことが話のこじれる根本の原因であると思います。
今回の症例でのこじれた原因は、「医者が過剰な期待を持たせ、患者が過剰な期待を持った」
ということに尽きると思います。

病院側の説明に、“心臓への云々”など、意味不明の点はありますが、そういう問題ではないでしょう。

常々思うのですが、誤診を防ぐ唯一の方法は、
「分からないときは分からないと言う」
ことであり、

医療ミスを防ぐ唯一の方法は、死にそうなときには
「死ぬかも知れませんよ」
と伝えることであると思います。

飼い主さんに、「大丈夫ですよね」
と言われたとしても、その場を取り繕うために「大丈夫です」なんて、 口が裂けても言いません。
見通しがつかないのに、助かるでしょうと述べることは、無責任であると思います。

獣医療過誤相談室アドバイザー獣医師





野上です。

脊髄に効く注射については獣医師の方へ質問してみました。
少しお待ち下さい。

状態の悪いうさぎの場合は注射のショックだけで死に至るケースもあると聞いたことがあります。
そのためにうさぎや小動物の場合は注射麻酔を避けるための設備を整えることも必要と聞いていますので・・
しかし、場合によっては栄養剤などの皮下注射を打つことも必要なことがあり、あくまでもケースバイケースです。
必ずしも死ぬうさぎばかりではないので、注射のショックと容態回復のメリットとデメリットの選択が必要になりますので、きちんとした説明(メリットとデメリットを含んだ)が必要だったと思います。

ただ、個人的にはやたらと注射を打つ病院と吸入麻酔の施設が無い動物病院には私は行きません。

>「何度も言ってきたように、前と言ったことと同じだよ、注射によるショックと病院への
>行き帰り耐えられなかったこと、肺も耐えられないくらい、悪かったってこと」

もしそんな状態であれば、ショックが予想される注射にはもっと慎重であるべきだったのではないかと思います。

うさぎをはじめエキゾチックアニマルというのはペット医療という中では、特異な位置にいます。

日本の獣医大学では臨床の授業は殆ど無い上に、あったとしても辛うじて犬猫のみ。
卒業後の臨床研修などでもエキゾチックアニマルの症例に当たることはなかなかありません。
つまり、うさぎをはじめエキゾチックアニマルの診療と的確に出来る獣医師は現在、殆どいないというのが現状です。
そのため、うさぎの診察には慎重であるべきで、獣医師、動物病院を選ぶには飼い主のより一層の注意と努力が必要です。

うさぎは犬猫と違って薬品にもストレスに非常に弱い動物です。

> 寝ている時の呼吸が荒く、ぜいぜい、ヒュウヒュウ、言っており、体を触るとビクッ、ビクッとするようになり、耳を触ったところ、冷たくなっていたので、風邪をこじらせてしまったのかな(13日は鼻水が出る)

もしかしたら、この症状ですと、スナッフルもありえるように思いますが、スナッフルを疑うようなお話はなかったでしょうか?
スナッフルは風邪のような症状で、呼吸の音が大きくなり、鼻水が出て、鼻の回りががびがびになったりします。
そして小さい子は低体温になりやすく、成長期に充分な温度がないと、成長に必要な栄養分がまず命を守るために体温の確保に回ってしまいますので、あまり丈夫な子には育たない可能性が大きいです。
うさぎは暑さ、特に湿気に弱い動物ですが、また寒さにも弱い動物です。
ウサギというと寒くても大丈夫がイメージがありますが、暑いよりは寒い方がマシという程度です。
やはり適温の確保は必要です。

ただ、病院に行くまで食事をちゃんとしていた、ということですので、それほどまでに状態が悪かったのか?とは思います。
うさぎは状態が悪くなれば食欲が落ちる子もいますが、それでも頑張って食べようとする子もいるので、一概には言えませんが、直前まで食事をちゃんとしていた子が急死するとはちょっと考えづらい気がします。

しかし、うさぎ、特に幼少の子は非常に弱い上に、治療のストレスが命取りになることもありえます。
それらのことをきちんと説明、お話しなかった獣医師側にも問題があると思います。

ただし、お話した通りに、うさぎの医療は非常に遅れています。
当サイトの獣医師たちもうさぎの症例に対しては得意ではありませんので、その点を予めご承知下さい。

獣医療過誤相談室 野上さやか




カルテですが、原本を破棄したそうです。
なぜかと言うと、当初の電話でのやり取り(昨年12月30日獣医師と)時に私がもうお宅の病院には二度と行かないと言ったから、その時点で、捨てたそうです。
飼い主の一言で、大事なカルテを捨てるものなのでしょうか?
何年間か保管しなくいいのでしょうか?

ですから、このカルテは(手を加えているとしたら)あまり意味のないカルテです。
院長が今日、説明してことをそのまま書いているようです。
院長は「うちは200パーセント嘘はいってない、メールで書いたそのままだから」だそうです。
どうなんでしょうか??
メールには、分量を書いてなかったんですよ、だから電話で聞いたのに、「適量です」としか、答えなかったんです。

スナッフルのことですが、診察した時、私は「今日、鼻水も出ています」と言ったのですが院長はきっぱり、「スナッフルではないね」と言ったんです。

謝る気持ちは、全くないようです。
残念です。
カルテを送ります。




一応うさぎさんはあまり詳しくありませんが、、、

今回ご相談のウサギさんの症状は、呼吸器症状があり過敏などの神経症状へと進行して突然死に近い状態で亡くなっているのですね。 同居している子ウサギには同じ症状が出ていないようですので、伝染性ではないか伝染力の弱い疾患とも考えられます。

成書からは、パスツレラ症では肺炎、気管支炎、胸膜炎などが起こりえると記載されていて、敗血症により致死的になることがあるとも書かれています。
またリステリア症では元気消失、食欲不振等のほかに敗血症、脳炎、髄膜炎などがみられます。

いずれにせよ命が失われる危険性が高い疾患ですので、獣医師の誤診や失敗での死亡というよりも たまたまそのタイミングで亡くなってしまったというほうが、可能性が高いように感じます。

以前にリステリア症が疑われたウサギさん(神経症状で亡くなり、同居していたヤギ、ウサギも神経症状で亡くなった)を大学の伝染病研究室へ送って菌検索を依頼したことがありますが、菌分離が出来なかった症例を経験しています。

脊髄に効くビタミン剤は、ビタミンB1などが神経炎に効くことがあり頻要されています。
ATPは脳の血流を増やす効果等から神経障害に選択されることも多い(効果はあまりありませんが)薬です。

ビクタスはオルビフロキサシンという有効成分の抗生剤ですが、ウサギさんは草食なので腸内細菌が変わると命の危険があり使える抗生剤が限られていますが、ビクタスやエンロフロキサシンなどのニューキノロン系の抗生剤は比較的安全性が高く、使いやすい薬です。

獣医療過誤相談室アドバイザー獣医師




野上です。
カルテを受け取りました。

確かに今まで頂いた情報と同じなのであまり意味は無いですが、獣医師の方へ転送致しました。

当日「スナッフルではないね」と言われたそうなのですが、カルテには注射のショックなど色々な可能性が書かれているようですね。
スナッフルでは無いと断言する理由などは聞きましたか?
血液検査などはされましたか?

気になるのですが、急な死に方を見るとかなり重篤な状態だったにも拘わらず、病院に行く前は餌を食べていた、ということでした。
餌を食べられない状態ほど悪い状態で病院に行ってその後急死とあればともかく、病院に行くまでは餌を食べていてそれで急死というのがちょっと疑問を感じます。

いくら飼い主さんがもう行かないと言ったといっても、カルテは3年の保管義務が法律で義務づけられています。 こういうズサンな病院の管理状態を考えるとその説明にもあまり説得力が無いように思えるのですが。

ところで、投薬は適量と答えた、とありましたが、当日、うさちゃんは病院で体重測定はしましたか?

カルテには体重の記入が無いようですが・・・

体重測定無しでどうやって適量を投薬出来たのかと思うのですが。

カルテ管理のことにしても、飼い主にきちんとしたインフォームドコンセントをするという意識が全くない動物病院と獣医師のようですので、どれだけ後からの説明してもそれでは意味が無いように思えます。。

ただ、死因を特定出来ませんので、<医療ミス>とするのは難しいと思います。

獣医療過誤相談室 野上さやか




体重測定、してないです。
スナッフルではない理由も聞いてないし、血液検査もしてないです。

安全と言われる薬でも、分量が多かったら、死んだりするのですか?
分量を聞いたとき、院長が口ごもった点や、メールに分量が書いてなかった事、電話でも適量ですとしか、いわなかった事が気になるんです。

疑問に思うことを、再度病院に聞いてみようと思います。

うさぎが死んだのはどうしてなんだろう・・って、いつも頭の片隅にあったので、このHPに出会えてよかったです。
感謝しています。
これからは、うさぎの毎日の健康管理に気をつけようと思います。

今回は、相談にのって下さり、有難うございました。




確かに、食事を採っていてその日に亡くなるのは気になりますね。
注射(薬剤の選択、量、注射部位など)に問題があったのかもしれませんが、実際のカルテが無いのでは、、

カルテの保存は義務ですので、捨ててしまったというのは逆に見られて困ることが記載されていたのではないかと考えられても仕方がないかもしれませんね。
実際に行われた治療は闇の中で、この病院の対応にも問題が多いと思いますが。

獣医療過誤相談室アドバイザー獣医師




野上です。

> 体重測定、してないです。
> スナッフルではない理由も聞いてないし、血液検査もしてないです。

保管義務があるカルテを破棄してしまった、と平然というあたりなどのカルテ管理の点などから考えると診療に対してもかなりいい加減ですざんなのではないか?と思ってしまいます。

お話では当日は体重測定もしないのに、《適量》を計算し、《適量》を投薬したとのことですが、
どのような計算で、しかも大人のうさぎよりも弱い子うさぎの《適量》を投薬したのか不思議に思います。

前にもお話しましたが、うさぎは非常に薬剤に敏感な動物です。
離れたところでも苦手な薬剤をまいただけでも死んでしまうことがあるとも聞いたことがあります。
それだけ敏感な動物ですから、それをよく知っている獣医師は、逆に自信も無いのに安易にうさぎの診療を引き受けたりはしないのです。

確かに獣医師には「どんな動物でも見る義務」や「応酬義務」がありますが、出来ないことをやってしまったり、分からないことを分かるような顔をして行ってしまうのは、無責任です。
率直な態度が、医療に関するトラブルを回避する手段であると思います。

今回の場合は残念ですが、その動物病院のカルテの違法な破棄によって本当にうさちゃんに対して行われた処置や投薬に関する薬剤や投薬量は分からなくなってしまいました。

「カルテの違法な破棄」については該当地区の獣医師会などに報告しておいたら良いと思います。

当サイトのアドバイザー獣医師が、エキゾチックを得意とする獣医師に今回の件について質問をしてみて下さると仰っています。
何か適切なコメントがあるかもしれませんので、またご連絡致します。

真相の追究は不可能ですし、亡くなったうさちゃんは戻りませんが、今後のために、後悔しないように、納得が行くまで獣医師に対して質問など、出来ることをされた方がよろしいかと思います。

獣医療過誤相談室 野上さやか




野上です。
当サイトのアドバイザー獣医師がうさぎに強い獣医師さんにコメントを頼んで下さいました。
回答が来ましたのでご送付致します。
参考にして下さい。

うさぎを始め捕食動物というのは、”弱みを見せない動物”です。
野生では、捕食動物は、”弱っている”ことを見破られると肉食動物に狙われることから、 かなり重篤な状態であっても、”大丈夫”なフリをして頑張るという習性があります。
そのため、気が付いた時には、手遅れになることが多いです。
死ぬ少し前まで、元気に走っていて、気が付いたらソファの下でいつの間にか死んでいた、というようなこともあります。

そして、薬剤、ストレスにも非常に弱く、麻酔のリスクは犬猫以上にハイリスクです。
そしてうさぎは体調の不調を隠すために、検査は大切です。
そのため、うさぎの診察には、飼い主が獣医師、動物病院を選ぶにはより一層の注意と努力が必要です。
しかも、まだ子うさぎでしたから、体が整う大人のうさぎよりも一層デリケートだったと思います。

そしてうさぎは苦痛に遭うと、自ら心臓を止める成分を分泌させ死に至ります。
そのために他の犬猫よりも具合が悪くなるとあっけなく死んでしまいます。
動物の寿命は短く、その1日は人の1日とは違います。
私もかつての主治医から、「動物の1日は人の5日に該当する、2日放っておくということは具合の悪い人を10日放っておくのと同じだ」、と言われたことがあります。

草食動物は、具合が悪くなってもギリギリまで我慢して、一気に崩れて死んでしまうこともあります。

私も10年以上のうさ飼いですが、うさぎの病院に関しては本当に苦慮して来ました。
私だけでは無く、うさぎを飼う人は皆、良い病院を見つけようと必死です。

獣医療過誤相談室 野上さやか




<今回、特別参加頂いたうさぎを得意とする獣医師さんのコメント>

子うさぎさんが動物病院で受診して注射をしたら、帰りにお亡くなりになった。

そして。今回のトラブルになった点は
1)治療行為内容について
2)十分な話し合いがあったか
をベースにして、カルテの廃棄や先方の獣医師の態度やうさぎの突然死ということなどと理解してよろしいでしょうか?

で・・・僕が言えることから

まず、食欲のあるうさぎが突然お亡くなりになることがあるのか?ということから。
このことに関しましては、僕は「ありうる」と考えています。

<理由1>
ご存知の通りうさぎは肉食獣からすれば「おいしそうな動物」であり、うさぎさんはいやがうえにもそのような運命を背負っています。
ですから、小鳥さんなどもそうなのですが、ひたすら症状を隠します。
弱っている=肉食獣の食餌という構図がなりたっている以上はそれが自然なので仕方が無い。
でも、人と暮らしているうさぎにとっては・・・?となると、敵は「人」です。
うちのうさぎは仰向けで寝るくらいリラックスしているある意味「自然に帰れない」うさぎです。
つまり移動を含めたストレスがかかることで症状を隠す可能性もあり、その時点で非常に悪い状況であったこともありえます。
うさぎさんにとって食餌は一つのバロメーターですが、全てでは無いです。

<理由2>
ケージ内での移動、その際の揺れ、病院での待ち時間、診療(触診も注射も・・・熱は測らないと思うので・・・)、疲れたところに帰りの移動・・・これらはうさぎさんにとってストレスですよね。
うさぎさんは例えばキツネに捕らえられたときに早いうちに気を失わないと、それはそれはツライ思いをしなければいけない・・・。なので、早いうちに自ら命を絶ちたい・・・という方向にあるようです・・・。

・・・と言う感じです。
実際、レントゲンを撮ろうとしたらお亡くなりになったとか、骨折を無理やり起きている時に合わせようとしたら息絶えたとか・・・話の中で聞くことがあります。

他にも、例えばうさぎさんはアルコールに弱いですから、注射をする時にアルコール消毒をするようなことがあれば(僕はしませんが・・・)、キャリー内がアルコールで充満してしまうことで、お亡くなりになることはあるかもしれません。
これは、ノミを殺すことで知られるスポット薬でもありえますので注意が必要です。

状況をうまく把握していない僕が言うのもおかしいかもしれませんが、今回の場合、
1)急にお亡くなりになったこと
2)どのような治療をしたのかということ
3)獣医師の説明不足
4)獣医師の後の対応
などのどこに対してどのような不服があり、どうすれば解決できるのかをきちんと整理する必要があります。
いっぺんに全てを解決することは難しいかもしれません。

獣医療過誤相談室 協力獣医師




今、疑問に思うことを、院長へ電話してみました。

◆注射の量について
体重は見た目の判断、500gくらい、3`はいかないだろう、で判断するそうです。
なぜ、体重測定をしないかは、触ると死んだりする子がいるから。
分量を決めるのは、だいたい・・
カルテにはちゃんと、数量は書いていた。
分量のことを心配しているなら、10倍の量を100匹のうさぎに打って、分析したら分かるよ。
どんなに弱っているうさぎでも、うちは、注射している、経口薬の方がかえって危ない、急死したりするから。病院へ来る途中で、死んだ子や、治療中に死んだ子もいるよ。

◆カルテ破棄について
Iがカッとなって、捨てたって。

「正直にいうから、嘘はついてないよ、もうこれ以上説明はできない・・」そうです。
破棄されたカルテについては、北九州市の獣医師会に連絡しようと思います。 野上さんや、獣医師さんの回答、見ました。
こんなにたくさん、真剣に回答してもらって、本当に有難く感じています。
飼い主としては、飼育経験のある、獣医さんに診てもらいたいですね。

色々と勉強させてもらいました。
有難うございました!!!



 
ウサギの場合、気が付いた時には手遅れという事は、よくあるみたいです。
治療の有無に関係なく亡くなってしまっていたかもしれません。
お話の感じからすると、自家繁殖した子ようですが、両親が元気でも、子ウサギに遺伝疾患が出る事はありますので、生後1ヶ月、生後3ヶ月で痙攣が出るという事から、遺伝疾患も否定できません。

ウサギのような極めて過敏の動物は注射の薬より、注射自体に反応しショック死する事があるようです。
ウサギの治療は、前回も話したとおり、本当に難しいみたいですよ。

まず、主治医のミス。
重症の子ウサギだったという事は認識していたようなので、治療に注意を払うべきだったかもしれません。

鼻風邪のような症状から、とりあえず抗生剤と消炎剤を注射するのは間違いではないと思います。
体力が落ちている場合、ビタミンも追加する事はありますので、それもミスとは言えないと思います。
薬の内容も一般的ですので、これもミスとは言え無いと思います。
問題はたぶん、注射という行為に耐えられる状態だったか?の判断ではないでしょうか?

次に飼い主さんのミス。
以前にも痙攣があった事から、少しゆとりを持ってしまったように思えます。
子ウサギじゃなくても、10日も放置していた事が問題だと思います。
メールには「10日前から呼吸が荒く、ヒューヒューと。。。診察日には鼻水も。。。」とありましたが、これは、あまりにも危機感が無かったと言えますね。
小動物、ましてやベビーが、呼吸が荒いなんて、その時点で生死を分ける症状です。
厳しい意見ですが、もう1日様子を見ていたら亡くなっていた可能性は高いと思います。

お気の毒だと思いますが、今回の事件は、引き金を引いたのは獣医かもしれませんが 呼吸異常を起こしていたのに10日も放置していた飼い主さんにも責任があるように思えます。

獣医療過誤相談室アドバイザー
動物病院経営兼動物看護士



<今回、特別参加頂いたうさぎを得意とする獣医師さんのコメント>

体重を計測しなかったのはいかがなものかと思いますが、診察台が体重計の場合、実は測られている可能性もあります。
例えば500gと520gで薬の投与量に大きな差は生まれませんから、獣医師のほうはその時点で子うさぎさんの体重を把握していなかったとは言い切れません。
また、初診の小さなうさぎさんに血液検査をいきなりすることは少ないと思います。
エンセ(EZ,エンセファリトゾーン)は基本的に慢性疾患の経過をたどります。
経口感染(胎盤感染も考えられています)後約1ヶ月で脳や腎臓・肝臓などに到達します。
血液検査を行なうこともありますが、抗体検査で陽性なのに無症状のことも多く、通常は治療への反応で予測するか、死後の検査での確定が多いようです。
ちなみに神経症状のうさぎさんを診療した場合、除外できる病気を診断除外した上で可能性を話して、エンセの治療を含めた治療を行なうことはありえます。

ちなみに、エンセを考えた治療を開始するとなると、うちの病院では「確立したものは無い」ことを話した上で、抗生物質(確定的なものはありません)、駆虫薬(フェンベンダゾールなど)、ステロイド(なんと用量設定は少ない設定から多い設定まで4倍の差があります0.5-2.0mg/kg)、ビタミン剤といった感じになります。

カルテを破棄してしまう点などの態度や管理の点についてですが、姿勢が悪いことと信憑性は離して考えないと先入観に隠れてしまったものが見えなくなることがあるので注意が必要です。

検査については、できない状況もありますが、考えられることをきちんと話さなかった獣医師に対して求めることができるのは、説明の不足による行き違いといいますか、選択権を患者さんに与えなかったことにあると思います。

また飼い主さんの飼育環境においても問題点と思われるものがあります。
生後一ヶ月前(=症状のでる2ヶ月前)から神経症状のあった子を放置していた。
(低温の空気は下に向かうクーラー下はうさぎや動物にとっては苛酷な環境です。)
うちでは最高気温と最低気温の分かる温度計をしていただくよう協力をお願いします。

注射をきっかけにこの子がお亡くなりになった可能性は避けられませんが、治療はこのレベルでも仕方ないとも思います。
僕がアドバイザーであれば「治療行為に対しては過誤は無いと思いますが、その間〜後への対応はよいものとはいえない。今回の争点は、獣医師の治療への技量ではなく、患者さんとの向き合い方にあるかも!」と思います。

獣医療過誤相談室 協力獣医師




獣医療過誤相談室の野上です。

今回の事例には、私自身も釈然としないものを感じ、最後の説明でもそれを拭えない気持ちです。
カルテ破棄の件についても事実が簡単に闇に葬られ、それに対して何ら取り沙汰されることが無い今の日本の社会の状況には、本当になす術も無く無力感を感じてしまいますが、それでも諦めずにこつこつと続けて行く事しか無いように思えます。

疑問を感じたら質問する、納得できるまで説明を求める、そしてそれに誠実に応じてくれる獣医師を選択する。

このような飼い主の地道な努力を継続することが大切なのだと感じました。
こちらこそ、貴重なお話を頂きましてありがとうございました。
うさぎを始めエキゾチックの診療を適切に行ってくれる獣医さんを見つけるのは本当に大変です。
日本は専門医制度も無く、専門医の看板は勝手に上げられます。
専門医を名乗る獣医師の殆どが、”自称専門医”に過ぎません。
マスコミの評判、自称専門医の掲げる看板は当てにならないのが実情です。
頼りになるのは飼い主さん自身の選択眼、それだけがペットにとって唯一のすがる道です。
どうか頑張って下さい。

獣医療過誤相談室 野上さやか

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