動物病院でのペット医療トラブル

獣医療過誤相談室

獣医師に対して医療ミス?の疑問 相談内容・対応事例

HOME
獣医療過誤相談室申し込み
法律相談・訴訟代理人 弁護士紹介可能
医療ミス相談・対応事例
NEW ペット医療トラブル件数・地域分布
心に残った本
動物を看取るということ

獣医療過誤相談室へ届いた相談の中で、解決した事例からご紹介させて頂きます。
現在抗争中、まだトラブルが解決していない事例については、解決後の掲載となります。

獣医療過誤相談 事例6

(相談者 神奈川県 女性Y様)

高齢の猫の避妊手術
獣医師は術前の血液検査をせずに不妊手術に踏み切りました。
術後経過が悪く数日後に死亡。
死亡前に他の動物病院で別の獣医師の診療を受けたところ、その手術管理が一般的な獣医療処置として適切とは言えないことを指摘されました。
また「子宮蓄膿症」であった可能性を指摘され病理解剖でそれが確認されました。
本日掲載日の2004/12/10は、この猫ちゃんの四十九日にあたります。
魂は四十九日をもって母屋を離れると言います。
猫ちゃんの魂が迷わず天に昇って行ったことを願い、ご冥福をお祈り致します。



9歳になる猫を避妊手術で亡くしました。
私が海外旅行に行くことになり、6日間動物病院(以下A病院)へ預けることにしました。
その間に避妊手術もお願いしたところ、帰って迎えに行くと、獣医の口から「容態が悪くなりこのままここへ居ても点滴で延命です。
この子の場合はお家へ帰った方が良いかも知れません」と言われるほどに急変してました。
預ける前は、足にすりより、ご飯ご飯と催促泣きをするほど食欲もあり、排泄もしっかりありました。
獣医が言うには1,2日目怒ってはいたが朝夕ご飯は食べ排尿もあった。
お通じも、1日目は無かったが2日目に大量にあったと言う。
3日目昼頃から手術。その為朝飯無。
術後麻酔で眠っていたので夕飯無嘔吐有。
4日目嘔吐が続き食事与えず様子観察。
5,6日目脱水症状防ぐため‘ソルデム’点滴投与。
6回目の朝血液検査実施。


動物病院 A
動物病院 B

のようにそれぞれの病院A,Bと項目番号を並べ、数値を記載しました。

下にはBの病院でのみ検査した項目を纏めました。

A1 |GLU-250
B1 |GLU-103

A2 |T-Cho-97
B2 |TCHO-112

A3 |BUN-200以上
B3 |BUN-280

A4 |T-Bil-0.3
B4 |TBIL-1.3

A5 |GOT-85
B5 |GOT-58

A6 |GPT-138
B6 |GPT-106

A7 |ALP-28
B7 |ALP-80

A8 |Cre-19
B8 |Cre-22.1

A9 |Na-134
B9 |Na-129

A10 |K-7.6
B10 |K-9

A11 |Cl-108
B11 |Cl-89

<以下の項目は病院Bでのみの検査項目>

B12 |TP-5.6

B13 |ALB-2.5

B14 |血小板-8.3

B15 |Ca-6.9

B16 |AMYL-2200

B17 |TG-70

B18 |IP-30

B19 |NH3-98

B20 |CPK-357

B21 |赤血球-590

B22 |白血球-53800

B23 |マトクッリト-28.6

上記、A病院で行った血液検査計11項目 6日目PM7:30頃帰宅。
家ではほんの少し一度きり、いつもご飯を食べる所までよたよた歩くことあり。
その後はぐったり横になってるだけでした。

翌日他の動物病院(以下B病院)へAM10:00行く。

そこで行った血液検査上記右側23項目。
A病院では慢性腎不全といわれました。

「手術をする時、子宮に水がたまっていましたが避妊手術の場合は子宮も卵巣もとるのでそのままとりました。
手術前には必ずおしっこを出すので搾り出したところ膿がでてきました。」と言う説明。
手術中点滴はしないということ。

B病院にその事を伝えたところ、「子宮蓄膿症」だったのではないか。
ましてや膿が出ているような状態で避妊手術をする場合は特に点滴をしながら行うのが常識だよ」と言われ、そのまま同じようにA病院へ伝えると「そう行ってる病院もあるかもしれないが家はやっていない」と言っていた。

私が「急性腎不全ですよね?手術をしたせいですよね?」と問いかけても「慢性だったんではないか」と言い張ります。
納得がいきません。
私はA病院に殺されたと思ってます。
医療過失ではないのでしょうか?
やりきれません。
どーしたらよいのか教えてください。




獣医療過誤相談室へのメールを受信致しましたのでお知らせします。
頂いたメールは当HPの獣医療過誤相談室担当獣医師へ転送します。

また、今回の事件の経過日付はどうなっていますか?

A病院からカルテのコピーと診断書、死亡診断書をもらって下さい。
カルテ開示を強制する法律はありませんが、診断書、死亡診断書は、要求があれば発行しなくてはならない義務が獣医師には法で定められています。

またB病院からも、

「子宮蓄膿症」だったのではないか。
ましてや膿が出ているような状態で避妊手術をする場合は特に点滴をしながら行うのが常識だよ」

と言ったという獣医師から所見、診断書などを書類に書いてもらえないか頼んでみて下さい。

「子宮蓄膿症」であった場合、B病院の獣医師が言うことが現状の獣医療の水準であったとしたら、 (多分そうだと思います) A病院で行われている対処は現在の日本の獣医療の水準に達していないことが証明され、医療過誤と判定される可能性があります。

また、もしまだ遺体が手元にあれば、検死解剖を依頼し、死因、そして「子宮蓄膿症」であったかどうかの検査をして下さい。

動かぬ証拠になります。
「子宮蓄膿症」であったことが確認され、その上で、 「膿が出ているような状態で避妊手術をする場合は特に点滴をしながら行うのが常識」

であれば医療過誤の認定が出来ると思います。

よろしくお願いします。

獣医療過誤相談室 野上さやか



今回の件に関して

術後腎不全の可能性が高いですが、術前の検査を行っていないのでそうとばかりはいえません。

もちろん慢性腎不全の在った子に点滴なしで麻酔をかける、 まして膀胱、子宮に感染がある状態の子に麻酔をかけるならば細心の注意が 必要であることは自明です。

しかし、術前検査のインフォームドコンセントをどのように行ったか、 また少なくとも麻酔をかけて行う手術というものに対して飼い主さんがどの程度 神経を使っていたか、また麻酔、手術の安全性について獣医師に質問したかが不明ですので、 今の時点で「医療過誤」と言うには難しいです。

きちんと点滴を行っていても麻酔後の腎不全は発生することもあります。

確かに手術をしたから急性腎不全を発症した可能性は高いです。

しかし、担当の病院の先生は高齢の子の避妊手術を簡単に引き受けたのでしょうか?
そのあたりが少し疑問が残ります。

術前検査を行わなかった理由もわからないので簡単に過誤とはいえないと思います。

点滴をしなかったその点だけにミスを求めるならばなぜその病院を選んだかなども関連してくることになってきます。

なぜかと言うと、最近の動物病院の傾向として不妊手術では非常に価格競争が激しくコストがかかることを避ける傾向があります。

そしてコストを下げるために、麻酔薬の種類や方法を安価なものを使ったり、人件費を削ったり、 また処置のうちのいくつかを省いたりすることでコスト削減を図ります。

もし飼い主さんが、治療費、処置費に対して、安さを追求してその病院を選んだのであれば、 ある面いたしかたのないことではないかと感じたりするのですが。

そのあたりはいかがでしょうか?

獣医療過誤相談室担当獣医師



当相談室担当の獣医師の質問にあるように、その獣医師との間でどのようなお話し合い、 説明、「インフォームドコンセント」があったかによって、「医療過誤」となるかならないかが分かれます。

当相談室担当の獣医師の回答にあるように、最近の動物病院は過当競争によって不妊手術の価格を下げる傾向にあるようです。

そのために必要な処置のうち、優先度の低いもののうちいくつかを省きコスト削減を図るようです。

もしその説明があり、飼い主さんがそれを承諾した上での、点滴代の削減であれば仕方が無い、ということになってしまうかもしれません。

そのあたりはいかがでしょうか?

また、その動物病院では、通常他の患者にも、点滴は全て行わないということで、平均いくら程度の料金になっているのでしょうか?

その地域、地区の近隣の動物病院の平均価格に比べていかがでしょうか?

その最初のA獣医師が手術をした時には、「子宮蓄膿症」という疑惑は全く持たずに避妊手術に踏み切ったのでしょうか?

A獣医師との話や状況を覚えている限り、教えて頂けますか?

また、記憶が鮮明なうちに、それらの話を時系列にまとめ、ノートに記録して下さい。

後々、証拠になります。

すみれHP管理人 野上さやか



ご回答ありがとうございました。

早速ですが私の記憶の中での、もう少し細かい説明を送りたいと思います。

避妊手術についてですが、9歳と高齢なので今から手術をしても大丈夫なのかとすごく悩み、獣医(2件)に相談しました。

一件は例のA獣医です。
A獣医では看護婦らしき女性に説明されました。
「病気はいままでにありますか?高齢になると人間の女性と一緒で子宮の病気になりやすいので避妊手術をすればそういう不安はなくなりますよ。
一泊はしてもらいますが簡単な手術ですのですぐ帰れます。
猫ちゃんも特に痛い思いはしませんよ」と言う事でした。

もう一件の方は医院長が出てきて「高齢でしたら出来れば手術はしない方が良いでしょう。
子宮をとりますのでホルモンバランスが崩れますから猫ちゃんの為にはしない方が良いですけどね。」と言う事でした。

私がまだ手術をしようかしまいか悩んでる時、今回の事からさかのぼり3ヶ月前に相談に行った時の事です。
この時A獣医の女性から「高齢の場合は術前に血液検査を行ってからやります。
4,000円かかりますが飼い主さんによってはやらない方もいらっしゃいますよ」という説明はありました。

なぜ高齢にもかかわらず今頃になって避妊手術を考えたかと言うと、ペットを飼ってはいけない所へ引っ越すことになり、更に発情が多くなり2週間おきに鳴くようになってしまったので、私もその鳴き声でイライラしてしまい、このままではお互いがストレスを感じると思い手術をしようかなと考え出したのです。

手術に関しての説明は私の方からしませんでしたが、獣医からもありませんでした。
獣医というのは、飼い主が何も聞いてこなければ何も説明しないのですか?そーではないですよね?
なぜ私が安全性を問わなかったかというと、A獣医の女性が簡単な手術ですからと言っていたからです。
信じてしまいました。
A獣医の医院長とは猫を迎えに行くまで話をしたことはありませんでした。

なぜA獣医を選んだかと言うと、家から一番近いという理由です。
出かける日に預けるので近い方が良いと思ったからです。
猫を飼っている知人などにも相談をし、手術をすることにしました。

預けることを決め、その間に手術をしてもらいたいと言うことは電話でのやりとりでした。
その時も電話に出たのは女性で、「いつからいつまでですか?」と一言二言で(この時猫の年は伝えてます)、私が「避妊手術も預かって頂いてる間にお願いしたいんですけど」と聞くと「わかりました。こちらでやっておきます」というだけでした。
その時私は、血液検査の事を忘れてしまっていたので聞いてません。
預ける当日も女性が来て「お預かりします。」とだけでした。
女性から何を聞かれるわけでもなければ、私からも何も問いかけませんでした。

私が飼い主として、もっと獣医にいろいろと説明を問わなければいけなかったのでしょか?

死後病理解剖に出したところ、慢性腎不全でした。 慢性の膀胱炎もあり、子宮蓄膿症ということもわかりました。

術前に血液検査をしてればこんなことにならずに済んだのではと思います。
獣医も術前に血液検査を行ってくれれば手術をしなかったのではないかと思います。

A獣医では術後嘔吐が続く私の猫に対して、ストレス性の胃炎と診断。その後胃炎と診断したわりには、炎症を抑える薬を投与せず脱水症状にならないようにと‘ソルデム’投与

まだ嘔吐が続く私の猫に対して血液検査実施(私が迎えに行く日の朝)腎不全と診断。にもかかわらず、薬は前日とまったく同じもの。

適切な処置をしてもらえてはないのでしょか?
それによってどんどん症状が悪化し死に至るという最悪な結果になったのではないのでしょうか?

私が一日早く迎えに行ってれば胃炎で帰されてます。
これは獣医に「昨日迎えに来てれば胃炎で帰されていたんですか?」と尋ねたところ「そーですねー」と言った。 もし一日遅ければ、亡くなってしまっていたかもしれません。
謝罪してもらいたいです。
どのような形で責任をとってもらえばいいのか教えてください。
一番良い解決方法がわかりません。



こんにちは

当HPの担当獣医師から回答が来ましたので送付します。

以下が担当獣医師の回答です。
ご参考にされて下さい。

******************************************************

今回の経過をお読みしてもろもろの問題点を見つけました。

まず、飼い主さん側にも大きな問題があると思います。

二週間ごとに発情徴候がある、ということですからこれは明らかに異常です。
このような異常発情は多くの場合子宮や卵巣の異常を示唆しています。
そのような状態が始まった時期から子宮蓄膿が進行していたと思います。
そして子宮蓄膿症があると循環不全と毒血症で腎不全を引き起こします。
気がついた時点できちんと検査を受ける必要があったと考えます。
そして、腎不全下での子宮蓄膿症の手術を行う慎重さを求めなければならなかったと考えます。
そしてこのようなリスクが出てくるので若いうちに不妊手術を行うべきであったと考えます。
獣医師は飼い主さんの申し出がない限り勝手に検査をすることはあまりないでしょう。
特に健康体であれば間違っても検査を勝手に行いはしないでしょう。
健康状態について依頼した病院に話をしていないのも問題だと考えます。
また、日頃のかかりつけの動物病院、獣医師を作っていないことも今回のことを引き起こした原因のひとつではないかと考えます。

次に、獣医師側の問題ですが、やはり、術前検査の必要性や手術には危険性が伴うことの話をすべきでした。 そこが最大の問題です。
通常の不妊手術では問題にならないようなことでも病的状態では即悪化につながります。
手術を行った獣医師の問題点は健康状態を把握せずに麻酔をかけたということになると思います。

子宮蓄膿症の手術は死亡率は10%ぐらいある手術です。(犬の場合)
ですから、もし術前にわかっていたならばある程度の予防的処置をとることも可能だったかもしれません。

子宮蓄膿症は発見すれば即、手術を行うものです。
放っておいても良くなる病気ではないです。

以下、頂いたメールの質問に関してして回答いたします。

-----------------------------------------------------
手術に関しての説明は私の方からしませんでしたが、獣医からもありませんでした。
獣医というのは、飼い主が何も聞いてこなければ何も説明しないのですか?
そーではないですよね?
-----------------------------------------------------
(担当獣医師回答)
そういう先生もいます。
ただし、私はそれは良くないと思いますが、案外無口な獣医師も多いようです。
口は災いの元と思う人もいますから。

-----------------------------------------------------
なぜ私が安全性を問わなかったかというと、A獣医の女性が簡単な手術ですからと 言っていたからです。
-----------------------------------------------------
(担当獣医師回答)
基本的に健康体であればそんなに問題が起きる手術ではないですが、麻酔に関して確 実に安全な麻酔などは存在いたしません。

-----------------------------------------------------
猫を飼っている知人などにも相談をし、手術をすることにしました。
預けることを決め、その間に手術をしてもらいたいと言うことは電話でのやりとりで した。
-----------------------------------------------------
(担当獣医師回答)
手術のときは近くにいたほうがいいとは思います。
人の開腹手術で保護者が遠く離れていることはなかなか考えられないと思いますが。

-----------------------------------------------------
私が飼い主として、もっと獣医にいろいろと説明を問わなければいけなかったので しょうか
-----------------------------------------------------
(担当獣医師回答)
はい、私はそう考えます。
結果を受け止めるのは飼い主さんですから。
安全に行えるようにいろいろ質問すべきでした。

-----------------------------------------------------
死後病理解剖に出したところ、慢性腎不全でした。
慢性の膀胱炎もあり、子宮蓄膿症ということもわかりました。
術前に血液検査をしてればこんなことにならずに済んだのではと思います。
獣医も術前に血液検査を行ってくれれば手術をしなかったのではないかと思います。
-----------------------------------------------------
(担当獣医師回答)
術前検査を行って何らかの病気を発見したのであればそれの治療を行うのが筋であり、 子宮蓄膿症が発見されれば慎重に手術を行うべきだったと思います。

-----------------------------------------------------
A獣医では術後嘔吐が続く私の猫に対して、ストレス性の胃炎と診断。
その後胃炎と診断したわりには、炎症を抑える薬を投与せず脱水症状にならないよう にと‘ソルデム’投与
まだ嘔吐が続く私の猫に対して血液検査実施(私が迎えに行く日の朝)腎不全と診 断。にもかかわらず、薬は前日とまったく同じもの。
適切な処置をしてもらえてはないのでしょか?
-----------------------------------------------------
(担当獣医師回答)
基本的に腎不全は点滴を行うぐらいしか方法はないです。
ですからそんなに間違ったことは行っていないと思います。

-----------------------------------------------------
それによってどんどん症状が悪化し死に至るという最悪な結果になったのではないの でしょうか?
-----------------------------------------------------
(担当獣医師回答)
処置がまずかったから悪化したということはないでしょう。
その状態であればどのような処置を行っていても腎不全の進行は止めらなかったと考えます。
人の医療においても 術後腎不全は発生しています。
ただ人の場合は透析が簡単に行えますから、命を失うまでには行かない場合が多いです。

獣医療過誤相談室担当獣医師

******************************************************

以上が獣医療過誤相談室担当獣医師からの回答です。

頂いたご相談などのお話には、具体的に術前に血液検査をやったかやらなかったかの点が不明瞭なのですが、 結局、手術前にはやらなかったということなのでしょうか?

-----------------------------------------------------
この時A獣医の女性から「高齢の場合は術前に血液検査を行ってからやります。
4,000円かかりますが飼い主さんによってはやらない方もいらっしゃいますよ」 という説明はありました。
-----------------------------------------------------
とありますが、結局のところ実際はどうだったのでしょうか?
手術後に状態が悪くなって、お迎えに行く日の朝に初めて血液検査をして 腎不全ということが発覚したということなのでしょうか?

そして、獣医師に手術などの相談をした時に、

「更に発情が多くなり2週間おきに鳴くようになってしまったので、・・・」

というお話は獣医師にされませんでしたか?

動物病院などに行かれると、最初に問診などを行い、状態や気になることなどを問診表に記述したり、 それについて獣医師から質問などがあると思いますが、それらの問診は全く無かったのでしょうか?

獣医療過誤相談室・すみれHP管理人 野上さやか



ご回答ありがとうございます。
頂いたメールについてですが、かかりつけと言えるかはわかりませんが、A獣医には私が飼い始めて過去2度かかっております。
一度目は6年程前になると思いますが、よだれをもの凄くたらしており、ご飯を食べるのもままならない状態だったのでいきました。
その時は「牙がグラグラしてるから抜きましょう」と言うことで抜きました。
二度目は4.5年程前になりますが、この時はヤケドを負わせてしまったので、A獣医で診てもらいました。塗り薬をもらい処置しましたが一部毛が生えてこないという事があります。
いずれにしてもカルテは残っておりませんでした。

血液検査については術前には行っておらず、術後容態が悪化したため獣医の方で勝手に行ったものです。

手術を決める時も、「2週間おき、2ヶ月に3回位サカリつくので」と説明してます。

腎不全になると死は避けられないものですか?
その子によって異なるとは思いますが平均寿命はどの位なのでしょうか?



すみれHP管理人の野上さやかです。

カルテの保存期間で義務づけられているのは3年です。 (獣医師法二十一条一項、二項)
直近が4、5年前ではカルテは残っていなくても仕方無いです。
しかし、今回の件でのカルテは残っているはずです。
カルテの公開は法的に強制出来ませんが、 獣医師法十九条二項によって 診断書等の交付義務が定められています。
そして交付を求められた時には正当な理由が無い限り拒んではならない、と法的に義務付けられています。

ペットの診療に際し、獣医師には説明義務があります。
ペットの診療は、飼い主と獣医師の契約のもとに行われ、この契約は民法上での準委任契約と解釈されます。

委任契約の受任者は委任者に対して説明義務や報告義務があるとされています。(民法六四五条)
従って、受任者である獣医師は、委任者である飼い主に対してそれらの義務を負っています。

手術や注射などの医療行為において、飼い主の同意無く治療行為をした場合には、器物破損罪が該当する場合があります。(刑法二六一条)

そして、この考えに基づき、獣医師は飼い主に病気の状態や治療についての説明をする義務があります。

獣医療知識に優越がある専門家である獣医師と飼い主の立場上、飼い主が治療に対する理解が困難な場合が多いです。
従って、飼い主の理解、同意を得るためには、獣医師は飼い主に分かるように説明をしなくてはなりません。

飼い主も正しい診療、治療が行われるために、ペットの状態や容態、様子などを話す必要があります。

診療契約に基づいて治療をした獣医師が、適切な説明を怠った場合、飼い主は獣医師に対して責務不履行(民法四一五条)による損害賠償を請求することが可能です。

獣医師が飼い主が依頼していない治療を行ったり、獣医学上的な見地から過剰な治療を行った場合、過剰な範囲については報酬が発生しない場合、または過剰な治療について支払った診療報酬について返還の請求をすることが出来ます。
説明義務に反した獣医師の治療により被った損害は、賠償の対象になりえます。

また上にある、準委任契約には、受任者である獣医師に対して善良なる管理者の注意義務をもって医療行為を行う義務があります。(民法六四四条)

今回の場合、高齢である猫に対して、血液検査を行わずに不妊手術を行ったこと。
飼い主が説明を求めなかったとは言え、獣医師には説明の義務があります。

法的には受任者である獣医師には法的に説明の義務があり、獣医療知識において当然、飼い主より知識的に優れているのは当然ですから、聞かなかった飼い主と言わなかった獣医師とでは、その落ち度の割合は獣医師側の方が大きいように思えます。

>血液検査については術前には行っておらず、術後容態が悪化したため獣医の方で勝手に行ったものです。

この件に対しては、飼い主の血液検査の実施請求が無くとも、適切なアドバイスで血液検査の必要性を説明し、飼い主の同意を得て、事前に検査をすべきだったと思います。

>手術を決める時も、「2週間おき、2ヶ月に3回位サカリつくので」と説明してます。

また飼い主は、状況の説明をしています。
獣医療の知識の乏しい飼い主が、この状況で、明らかに異常である、と認識すべきというのは厳しいと思います。
この飼い主の訴えを重視しなかった、あるいは聞き逃した獣医師の責任の方が重いと思います。

ペットを飼ったからには飼い主にも勉強することが必要です。
しかしながら、今回のケースでは、飼い主が状況を説明し、高齢であることも分かっていて、術前の血液検査もせずに手術をしておいて、術後容態が悪化してから勝手に行う行為とは矛盾であると思います。

>腎不全になると死は避けられないものですか?その子によって異なるとは思いますが平均寿命はどの位なのでしょうか?

腎臓疾患は、7割悪くなって初めて症状が出ると言われています。
そして腎臓は一度悪くなったものはどんな治療をしても元には戻りません。
せいぜい進行を遅らせることが出来る程度です。
平均寿命は一概には言えません。
腎臓機能は年齢と共に衰えて行くことが大半ですが、遺伝によっての体質的なものもあります。
若くても遺伝的に腎臓疾患になってしまう子もいます。

進行の度合いや早さも固体差があります。
また適切な治療、疾患に気づいた時期にもよります。

腎不全については獣医師の方が詳しいですので、また獣医療過誤相談室担当獣医師から回答があると思います。

獣医療過誤相談室HP管理人 野上さやか



>ご回答ありがとうございます。
>頂いたメールについてですが、かかりつけと言えるかはわかりませんが、
>A獣医には私が飼い始めて過去2度かかっております。
>一度目は6年程前になると思いますが、よだれをもの凄くたらしており、
>ご飯を食べるのもままならない状態だったのでいきました。
>その時は「牙がグラグラしてるから抜きましょう」と言うことで抜きました。
>二度目は4.5年程前になりますが、この時はヤケドを負わせてしまったので、
>A獣医で診てもらいました。
>塗り薬をもらい処置しましたが一部毛が生えてこないという事があります。

そうですか。
やはりかかりつけとは少なくとも一年に一回のワクチン接種や健康診断を行っている ような病院のことを言い、何でも相談できるような関係のあるところのことを言うと 思います。

>いずれにしてもカルテは残っておりませんでした。
>血液検査については術前には行っておらず、
>術後容態が悪化したため獣医の方で勝手に行ったものです。

容態が悪化して検査もしないのは最低ですから少なくとも気にはなったということで すよね。
善良な管理と準委任契約の元ではある程度必要な検査や処置は了承を得ずに行うことが正当化されると判断されています。

>手術を決める時も、「2週間おき、2ヶ月に3回位サカリつくので」と説明してます。

蓄膿症を示唆はしていますが、確定診断をつけているわけではないのでそこで詳しい 検査や全身状態の診察が必要であったと考えます。
しかし、獣医師と直接、話をしていない状況ではそこまでの話が進むとは難しいと 思います。
また、飼い主さん側も手術のことを確認しなかったのも問題と思います。

>腎不全になると死は避けられないものですか?
>その子によって異なるとは思いますが平均寿命はどの位なのでしょうか?

腎不全には大きく分けて急性腎不全と慢性腎不全とがあります。
猫ちゃんの場合は6歳以上であれば10%以上の率で慢性腎不全が潜在しています。
ですから、動物病院では一年に一回は血液検査をするようにお勧めしているところが多いです。
適切なケアがされれば寿命は数年延びる可能性があります。
しかし、急性腎不全の場合は原因にもよりますが急激に腎臓の細胞が壊死してしまいますので 細胞の壊死を止めることができなければ多くの場合不幸な結果に終わることが多いです。
慢性腎不全を持っていて不適切な麻酔をかけたために急性腎不全を引き起こしたのであろうと思 われます。
そのような場合はまずもって数日の間に死亡する可能性が高いです。

獣医療過誤相談室担当獣医師



メールありがとうございます。

今は口約束ですが、お寺さんに預ける管理費・権利費を支払うということになりました。

書面にて示談契約書を作成し、知り合いの弁護士に確認してもらっているところです。

また話が進んだらご連絡します。



そうですか。
どうか頑張って下さい。
是非、書面での示談を成立させて下さい。

その頑張りに、天国の猫ちゃんはきっと喜んでいると思います。

よいお知らせお待ちしています。

野上さやか



気にかけて頂いてホントに嬉しいです。
なかなか進展がなく返事のしようがなかったのですが、ようやく返事を出すことができました。

私なりに、インターネットを利用し作成した示談契約書を、知り合いの弁護士に確認してもらっていると前回メールをしましたが、やっと弁護士から修正していただいた「合意書」が届き、本日12/2その書類を持って行ってきました。

事前に連絡し、営業の妨げにならないようにと電話したつもりが、相手は「用はその書類を確認してサインすればいいんですよね?でしたらいつでも構いません」とそっけない態度で侘びの気持ちはまったく感じませんでした。

ですので普通に営業時間にいき、合意書を差し出し「サインして下さい」と必要以上の会話は交わさず、「金額の内訳は」と聞かれたので、供養費と仏壇購入費と私に対しての慰藉料ということを伝えサインを頂き帰ってきました。

別紙謝罪文とかは特にはありませんが、その合意書に内容として、【避妊手術、及び手術を実施するにあたっての判断・準備が原因で死に至らせてしまったことを認める】【飼い主さんに対して心から謝罪する】などの文言が文面にはあり、相手もそれを読み確認した上でのサインなので、認めたと言う事に変わりはなく、謝罪するということにも変わりはないと思うので、とりあえずこれで良いかなと思います。
はっきり言って謝罪の気持ちは伝えわってきてはいませんけどね。

入金は四十九日にあたる12/10迄にということにしてありますので、入金の確認が出来れば二度とあの先生の顔を見なく済むことになりそうです。

今朝、うちの壊れた扇風機が一瞬あの子にみえました。
とても悲しそうな寂しそうな表情に見えたんですけど‥‥



本当に頑張られましたね。
本当にお疲れ様でした。

猫ちゃんは可哀想でしたが、それでも飼い主さんにこんなにも悲しんでもらって、こんなにも頑張ってもらって幸せだと思います。

その獣医師には表向きは謝罪の態度が出ていなかったのだと思いますが、今後はきっと反省材料になるはずです。 未来にいたかもしれない同じ悲しみを味わう飼い主さんと動物を、救ったのだと思います。
飼い主様と猫ちゃんの日々、猫ちゃんの存在とめぐり逢いは大切な使命と意味を持っていたのだと思います。

猫ちゃんはきっと使命を持って生まれ、飼い主様は猫ちゃんの命のメッセージをしっかりと受け取りそしてまた使命を果たしたのだと思います。

>今朝、うちの壊れた扇風機が一瞬あの子にみえました。
>とても悲しそうな寂しそうな表情に見えたんですけど‥‥

そんなことは無いと思います。
きっと「頑張ってくれてありがとう、これからも頑張って生きて行って欲しい」と言いに来たのだと思います。

すみれHP・獣医療過誤相談室 野上さやか

■獣医療過誤相談・応対事例索引へ戻る

▲このページのTOPへ

■ お問い合せ■ ご意見お待ちしています
sumire@sweet.forum.ne.jp

動物医療過誤裁判 すみれちゃんのために出来ること

獣医療過誤相談者の相談内容など掲載記事の転記はお断りします