動物病院でのペット医療トラブル

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獣医療過誤相談室へ届いた相談の中で、解決した事例からご紹介させて頂きます。
現在抗争中、まだトラブルが解決していない事例については、解決後の掲載となります。

獣医療過誤相談 事例2

(相談者 福岡県 女性Y様)

ペットショップで購入したトイプードルの子犬。
飼い主はショップのアドバイスに従って飼育していました。
兄弟犬の病気の情報でペットショップの勧める提携動物病院へ。
飼い主の訴えをよく聞かない獣医師。
状態は悪化、そして入院。
この獣医師に診療を任せて良いのだろうか、という相談でした。



今年 7月18日生まれトイプードル女の子700〜800g

最初は、この子の兄弟にふうせんちゅうが居たことが分かり、 この子も検便をしてもらう為にショップのお勧めの病院で受診。

(当時、気持軟便でショップのアドバイスでフードの量を減らしていた。)

ふうせんちゅうが発見され、虫下しの薬を病院で飲ませる。 その日の夜中「けっけっ」と喉に詰まった感じの咳?をし、何度も嘔吐。 元気も無い 翌日下痢1回と嘔吐3回再度受診。

先生が容態を良く聞いてなく下痢を抑える注射と薬・下痢用のカンズメを処方してもらう。 お昼を食べさせた後嘔吐が続く。

嘔吐が続くので病院に電話をしたら、嘔吐がある事を聞き漏らしていた事が分かり再度受診。 吐き気止め・ブドウ糖の注射を打つ。

「基本的には、絶食絶水。夜9:00をすぎて食事をほしがるようなら、 体が食べ物を受け付けるまで回復しているということなので、蜂蜜をお湯で薄めたものをのませ、 嘔吐がなければカンズメを少量お湯でのばしてあげるか、ミルクを与えてください」と指示を受ける。

家に戻ってずっと寝ていたが、10:00頃おもちゃで遊ぶ元気が出てきたので、 蜂蜜をお湯で薄めたものを、少量あたえる。

嘔吐がなっかったので30分後にカンズメをお湯でのばして少量与える。その後嘔吐を繰り返し、翌朝吐血。

病院に行くとガスが溜まり潰瘍になっていた。

病院で受診したりで興奮し、そのストレスでここまで悪化したとの説明。

点滴でブドウ糖・潰瘍の薬を流し、入院になりました。

おかしな点があれば、今後どの様に先生に話せば良いかのアドバイスも頂ければと思います。

今病院に入院しているのでこのままお任せしていても良いのか心配です。よろしくお願いいたします。




獣医療過誤相談室の担当獣医師からの回答を送付します。
(*****枠内が獣医師のコメントになります)

獣医療過誤相談室の担当獣医師の回答はあくまでも断片的なお話を聞いた上での 推測であることを予めご承知おき下さい。

ただし、私も速やかに別の動物病院に行かれた方が良いと思います。

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あくまでも推測であるという前提ですが、
パルボの症状に近いですね。
そして、その他の寄生虫の混合感染を起こしているような感じです。
もしかしたら、助からないことも考慮に入れてください。
速やかに、別の病院にかかったほうが良いと思います。
出来れば、ショップに対しても責任の追及をできるように会話の内容や 診断などなど しっかりと記録しておいたほうが良いかも知れません。 *****************************************************



思いもよらず、早速のご返答に感謝いたします。

以前我が家の愛犬のかかり付けだった獣医さんの方にご相談したところ、お話だけで 犬を診ず返答する事は出来ないが、お付き合いがあるのでしいて言えば、虫は薬をのんで いるので大丈夫だろう。
という事と治療内容の説明は飼い主さんの理解を得る為に獣医としての義務であるから、分からない事不安な事は納得のいくまで聞く事。
血液検査の結果などがあればセカンドパピニオンとしての意見は言える。とのことでした。

午後に現在の病状・今後の治療のお話を聞きに今かかっている病院に行き疑問・不安 な事(感染症の疑い・回復の兆しか見えた時蜂密湯をあげて良かったのか?)を質問 しました。

バリュウムがながれているので、パルボでは無い。蜂蜜湯の影響での悪化ではない。
今朝嘔吐があったが、便も出てガスもたまってない、今日は、犬のミルクを与え嘔吐がなかったので再度与えている。 胃が荒れていることでの嘔吐がおさまれば、明日お返し出来る。
との事で、回復している様なので明日に望みをかけようと思っています。

土日祭日は、対応できないのでショップに預かってもらうのも一つの手では?(ショップにも小さなクリニックがある)と勧められましたが、明日帰る事が出来たら、そのまま信頼できる獣医さんに現状を診ていただき連れて帰ろうと思います。

アドバイスありがとうございました。違うご意見がありましたら、ご返信頂ければと思います。



血液検査の値なのでセカンドオピニオンを求めることも良いと思います。
また、退院出来るようでしたら、他の信頼出来る獣医さんで診察し直してもらうこ とも有効な手だと思います。

2.5ヶ月令は、親からの抗体が切れる時期で、パルボなどを発症し易い時期だそうです。

子犬が一番危険な時期に入りますので充分に気をつけてあげて下さい。

パルボ検査をされた方が良いと思います。
症状が進まないと検査をしてもなかなか発見されないことも少なくありません。

私も以前、子犬をパルボで亡くしたことがあります。
動物病院で真っ先にパルボを疑い検査したのですが、その時はハッキリしませんでした。
それから数日経って、検査に反応した時は、もう手遅れの状態でした。

確定されていなくても早い段階で、インターフェロンの連続投与(1週間)で時々助かる子がいます。

パルボでは無いこと、良くなることをお祈りしています。

もしかしたらショップと提携ということですので、ショップの責任を隠蔽するために工作をされるかもしれません。

はっきり言いますが、一般的に言って、ショップの提携獣医には、良い獣医はあまりいないのが普通です。
これは聞いた話ですが、だいたいショップの提携獣医は、まだ経営が安定しない開業したての獣医が、収入の足しにするために引き受ける場合が多いという話もあります。

また、獣医業界は商業色も色濃く残っており、ペット業者が勢力を振舞う割合も少なくありません。
劣悪な経営、または命あるペットに対して悪質な対応をする店や業者に対して批判的である獣医師は、当然ですがペット業者には好まれません。
ペットを商品としてしか考えないショップとペットを命ある生き物として考える獣医師とは常に対立関係にあります。
そのため、非常に腕が良く、そこに通う飼い主の評判は非常に高いのに、ペットショップからは酷い悪評を立てられたりすることが決して少なくないのです。

結果的に、ペットショップが提携を結ぶ獣医には、ペットの劣悪な売場環境や飼育環境にも指導的、批判的意見を言わない獣医が選ばれることが多いのです。

ペットショップと提携している獣医師は、ペットショップが病気感染の犬を売ってしまった場合に、他の原因であるかのように別の診断書を書いたりして、 それが表ざたにならないように裏工作をすることが往々にしてあるからです。

その隠蔽のためにわざわざペットショップはお金を払って獣医と提携を結んでいます。

出来れば、診断書や、カルテなどを逐一もらっておいて下さい。

後に別の獣医での診断と食い違えば、裏工作の証拠になります。



獣医療過誤相談室の担当獣医師から追加のコメントが来ましたので転送します。

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回復に向かわれているとのこと少し安心いたしました。
ただ少し気になるのは、バリウムでパルボの否定はできません。
少なくとも、パルボの感染の簡易キットがあるのでそれをしようしてもらってください。
まだまだ予断を許す状況ではないですね。
ぜひ、信頼のできる病院にかかってください。
ショップに預けるのは 賛成できませんけど。 ******************************************************

以上です。

私もバリウムでパルボのうんぬんが判断出来るという話は聞いたことがありません。
是非、転院をお勧めします。



最初の病院を退院後、以前お世話になっていた獣医の元へ退院した足で受診いたしま した。

入院後からは、最初の医師も、きちんと治療してくれていたみたいで回復しているよ うでした。

新しい獣医さんのお話では、当時の体重・軟便でフードを減らしていた事(ショップ のアドバイス)などのタイミングと糞線虫の虫下し(注射器から飲む黄色い色の物) がうちの子には強かった、その為の嘔吐・胃炎だろうとの事でした。

ご心配頂いていたパルボでは無く一安心でした。

しかし、かなり体重も減り、今やっと普通の量の食事に戻す事が出来740gまで増 えました。

これから、標準体重に追いつくと思いますが、一獣医の思い上がり(判断ミス・聞き 損じ)でうちの子が何でこんなにも、つらい思いをしないといけなかったのか、憤り を感じます。

まだまだ痩せている事
兄弟犬にコクシジュウムがいた事で今、二回目の虫下し中でワクチンの二回目未接種 (今月末の予定です。) など、まだ安心出来ませんが、信頼出来る医師が付いている事でかなり、気が休まり ます。

以前は、不信感から不安な気持になり、眠る事が出来ませんでした。

獣医には、初心を忘れず、たくさんの患者を抱えているから自分は腕の良い医師と過 信せず、たくさんの患者が信じて来るからこそ、裏切らないように一つ一つの診断・ 治療方針を幾通りも考えて慎重さを忘れてほしくないと思います。

うちの子は、命を無くす事が無く、また一緒に暮らしていけますが、獣医の思い上が りのせいで、もう一緒に暮らす事が出来なくなった方々の気持を考えると、とても恐 ろしく、言葉も浮かびません。

今回は、ご相談にのって頂きありがとうございました。
病院を変えて良いんだ!と自信を持つ事で、医師に気を使わず質問する事が出来ました。
この様な活動は、とても大変だと思われますが、私達の様な方たちの為に続けて頂け ればと思います。
ありがとうございました。



パルボでは無く、また回復に向かっているとのこと、ほっとしました。
とても嬉しく思います。

獣医師への質問や、またセカンドオピニオンの要望や転院など、 言い出しにくいがために、手遅れになってしまうことも少なくないと思います。

私も、色々な動物病院での問題やケースを知ってしまうと、 「最初から良い病院」「最初から良い獣医師」に運良く当たる確率の方がよほど少ないのだ、 ということが分かるようになりました。

ましてや動物医療の社会システムは皆無で、 問題が起きても飼い主の立場も平等に考慮してくれる相談窓口はどこにもありません。

社会の、法律の不備と矛盾が存在している限り、弱い者にしわ寄せが行き、 どうしても結果的に理不尽な目に遭うのは常に弱者です。

その現状の中、悲しい目に遭わないように、 飼い主は自己防衛のために考慮し手段や動物病院を慎重に選択する必要があります。

そういう現実がある限り、セカンドオピニオンや転院は、 飼い主の当然の権利と家族の命を守るために必要な手段であり、当たり前のことであると思って良いのです。

獣医の独り善がりのプライドに気を使って、大切なものを失っても、最後に傷つくのは常に飼い主です。
何が一番大切なものなのか、本当に飼い主が守らなくてはならないものは何なのか?
それは獣医のプライドではありません。
そのために、嫌な顔をされ、不快な態度を取られても、臆しない勇気も必要です。
飼い主にとって一番大切なのは家族の命です。
そのことを常に忘れずに向かい合って下さい。

ペットショップは売った動物に問題があり病気が発生してもそれを隠蔽するためにお金を使って提携獣医を雇う。
マスコミもお金によって動物病院を取り上げてみたり、高評価をつけてみたりする。
ネットの掲示板などでは、近所のライバル動物病院を蹴落とすために、一般人を装って悪い評判を書き込む獣医師や、 また、自分の動物病院を高く評価する書き込みを自らしたりする。
ネット上の評判もマスコミの評価も、口コミも、結局、その真偽は分からないというのが事実です。

確かなものは、やはり自分で行ってみて、その動物病院をチェックする、獣医師と話しをしてみる、 質問をぶつけて誠意を持って接してくれるかをみてみる、などするのが一番です。

同じ免許を持ったプロなのだから、どこでも大差は無いはずだ、そう考えてしまうのが普通だと思いますが、 ところが現実は違います。

大変でしょうが、愛する家族のために、そして、ご自身が辛い思いをしないように、 これからも頑張って良い獣医さんを探す努力、信頼出来そうな獣医さんを見つける努力をして下さい。

ホームドクター、かかり付けの主治医を選ぶ時にその選択の要点として、 私が考えているものですが、お話しておきます。

獣医師は大抵の種類の動物の診療に対応するようになっていますが、当たり前ですが、 動物の体の仕組みは同じ生き物であってもそれぞれ違います。
多くの種類の動物の診療を的確に行うことなど不可能です。

また同じ動物であっても、その部位(目、外科、内科、循環器など)によって得意、不得意があるのは当然です。

かかり付けの主治医はその全ての分野に的確に処置をする必要は無いと思っています。
その病状から的確に診断を付け、自身がその分野に不得手であれば、得意とする獣医師を紹介すれば良いのです。

そのためにかかり付けの主治医に必要なものは、的確に診断を付ける能力、 そしてその分野分野の優秀な獣医師と常にネットワークや仲間との情報交換に努め、 必要な時には、自分のお門違いなプライドなど気にせず、 その子のために最適な道を飼い主に提示することが出来る獣医師です。

頂いたメールは獣医療過誤相談担当の獣医師に転送しておきます。

きっとよろこぶと思います。

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