獣医療 獣医学教育の現状 ペット 飼い主 獣医師とペットロス 安楽死

心に残った本と言葉

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心に残った本
動物を看取るということ
心に残った本、言葉などをご紹介したいと思います。

ペット、飼い主、そして獣医師の関わり合い


書籍名:動物を看取るということ
著者:三井ひろみ
出版社:晶文社

愛するペットを亡くした方に、辛い闘病生活を続ける方に、 動物病院獣医師との付き合い方に悩む方に、 ペットと暮らす方、これから暮らそうと思う方に読んで頂きたいと思う本です。

辛い宣告を受けた飼い主さんが、愛する動物と共にした時間の中で、どう考え、どうやって共に最期の時まで一緒に生きたのか。

その中で何を思い、何を見つけたのか。

どんなに手を尽くしても、どうやっても後悔の気持ちと心残りは、どこかに見つけてしまうものです。
だから少しでも、悔いることのないように日々を送り、暮らし、最期まで手を尽くしたい。
飼い主の永遠のテーマだと思います。

不治の病、老衰、安楽死、それぞれの動物と病気、命を抱え、 それぞれの事情の中、懸命に最後まで動物たちと心通わせ、人生の大切な時間を共有した飼い主さんたちのお話。
同じく、愛犬を不治の病で失った、著者の体験談。
そして動物とその飼い主さんたちを支えつづけた獣医さんたち。

著者の獣医師へのインタビュー。
貴重な回答。
現在の獣医療の現状、社会的システムの欠落。
ペット医療動物医療との矛盾。
獣医学教育と獣医業界を管理する国の体制、場所の無い伴侶動物のための医療システムについて。
動物を思う心と、相反する獣医療の体制と仕組み。

動物を飼う人には知っておいて欲しいことがたくさん書かれています。

動物を、愛する家族を失うということは辛いことです。 ペットロスに陥る人もいるでしょう。

でも、本当は、

私達は、愛する動物を失っても、それは「何かを無くした」ことにはならないのでは無いでしょうか?
共に共有した時間がいかに短くとも、大切な時を、思い出を、そして温かな涙、愛しいと思う気持ち、優しさを、教え与えてもらったのでは無いでしょうか?

たとえ、動物が命を終えても。

動物たちは私達の心の中に、いつでも温もりを、 私達に思い出として、いつまでも幸せな、楽しかったひと時を残してくれます。

目の前から姿を消しても、それはきっと心の中に永遠に与え続けてくれるものです。
いつでも、あなたと共に。

大切なものはいつでもちゃんとあなたの心の中にあるのです。

あなたは大切なものを失ったのでは無く、永遠に得たのではないでしょうか?
心の中にあるものを、探してみてください。
ちゃんとそこにあることを、いつでもそこにいることに、きっと気がつくと思います。



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書籍名:動物を看取るということ
著者:三井ひろみ
出版社:晶文社

― プロローグ ―

愛犬の死は、ひたすら悲しい。

<いつかは死んでしまう>その現実が動かせないのなら、最後までこの子のそばにいていのちを温め続けよう。

には死への不安は無いのだろう。
食べて、眠って、私の後をおいかけて安心している。大好きな人たちの笑い声、おいしいごはん、さんぽという言葉。それがいつも揃っていることがしあわせだった。

そう思えたとき、私にも小さな幸福が見えた。

「こころある獣医師」と形容したのには理由がある。
動物病院の対応の悪さで、無残な別れを引き起こされてしまったという話がことのほか多いからだ。

怒りや悔しさを訴えられない人もいる。

ここには獣医師に向かって、「あなたのその一言で私はこんなに傷ついた」と伝えられない飼い主のコミュニケーション不足の問題がある。
また獣医師サイドでは、動物と飼い主に対して、何を提示し共有していくのかを発想できる環境が育っていない。




愛する動物たちと歩んだ飼い主たちの生き方




動物たちが教えてくれた生き方 ―



「安楽死しかないと宣告されました」

セカンドオピニオンを求めて、動物病院に飛び込んでいくときの飼い主は、いろいろな感情が渦巻いていることが多い。獣医師の何気ないひとことで傷ついていたり、説明不足で猜疑心をもっていたり・・・・。

私にはこれ以上のことは出来なかったという思いがあります。
ゴマを亡くして流した涙は、温かい涙でした。

神様が私とゴマに白いタオルを投げたのがわかった。

麻酔薬を静かに注入し始めました。 眠りと死の境がまったく私にはわからないくらい、やすらかにスーッと逝きました。 もうゴマは苦しむことはないんだと思いました。

「ゴマが私を強くしてくれた」より



十九歳でチロは亡くなりました。
二年寝たきり状態でした。
かかりつけの獣医さんは、チロはいつ逝ってもおかしくない状態だって、最初から思っていたそうなんですけど、一度も「もうダメです」とはおっしゃいませんでした。

病院では最後まで手を尽くしていただきました。
院長先生が花束を下さった。
さんざんお世話になったのに、こんなにきれいな花束をいただくとは思いもよらず、思わず泣いてしまいました。

「寝たきりになったを二年間介護して」より



動物医療現場では、飼い主が最終決定をします。
当然そこには選択と後悔が発生し、時には「自分の選択が間違っていたのではないか」と自分自身を責めたり、後悔するケースもあります。
動物医療側からの的確な診断と充分な選択肢の提供は勿論のこと、飼い主の抱えている問題と動物医療現場の問題を互いに理解しないと、本当の意味での良い選択は出来ないのでは無いか?

獣医学的事実と飼い主の価値観を融合させるコミュニケーションとは?
動物医療におけるインフォームドコンセントとは何でしょう?

この筆者の問いかけと動物医療の問題に3人の獣医師が答えます。



― こころある獣医師へのインタビュー ―

3人の獣医師さんが登場します。


鷲巣月美獣医師
日本獣医畜産大学

動物医療はケースバイケース、家族の選択の中で最大限の努力をするのが原則。

「ハッピートライアングル」
動物・飼い主・医療提供者の最も好ましい動物医療のかたち

動物医療でのインフォームド・コンセント重要性
・「正しい診断に基づいた病気の説明」
・「飼い主への充分な情報提供」
・動物の病気の経過、経済的な負担も明確に

動物医療の問題点
・動物医療のシステムが未確立
・動物医療の場合は、医療機関の連携プレーが非常に困難

<動物医療の限界>

シビアな問題「経済的なリミット」
獣医師は飼い主、動物にとって最良の選択をしてもらえるようなアドバイスを どんなことをしても後悔はあり、ベストな死に方であっても飼い主は後悔は避けられない。
後悔の度合いが小さくなるように配慮を。

獣医大学付属病院までこられる飼い主さんは「頑張って治療したい」という強い意思の方が多いが一方では、「前の動物病院ではちゃんと治療をやってもらえなかったのではないか」という思いを抱えている方がいることも事実。

現在の獣医療教育の問題点

日本の獣医学教育は、産業動物が起源で、今もそれが根底にあり、伴侶動物はどこにも所属しない状況。
厚生省が「ヒューマンアニマルボンド」「狂犬病」という部分でわずかに関わり、獣医師の免許は農林水産省が、獣医学教育は文部科学省が管理し一元化されていない。

社会の中で、ペットの受容が高まり、獣医師および動物医療に求められるものが変化している拘わらず、獣医学教育の現場が改革されず、大学での獣医学教育で伴侶動物のカリキュラムが伴侶動物専門の獣医師の育成向けに整わない原因。
獣医学教育の現場は社会の需要そぐわない。



中西章男獣医師
阿佐ヶ谷ペットクリニック

精一杯の愛情を注いで一緒に暮らし、どんなかたちであれ、最後を看取ってやるのが飼い主のつとめ。

その子も、飼い主さんが自分のせいで悲しんでいることを決して喜んでいないと僕は思います。 だって、その子はあなたの笑顔が一番好きだったんじゃないですか?

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獣医学の進み方自体に問題。
根本が農学部獣医学科で、人間の役に立つ動物の治療をするというのが発想なので、「いのちを大事にしたいから」という発想ではない。



― 筆者の体験談から ―

筆者である三井さんの愛犬が血管肉腫の宣告を受け、不安に苛まれていた時に、

「最後まであなたと犬を支えてあげます。一緒に頑張りましょう」これが担当獣医師の最初の言葉だったそうです。
この三井さんと愛犬を支えた獣医さんのお話です。



突き落とさないケア

武井建之介獣医師
武井動物病院

インフォームド・コンセントとは、今後の治療や手術や処置などの事前説明。
特に重篤な病気や転院して来た飼い主の場合は、時間をかけて丁寧に。

選択が必要な時は、飼い主さんが獣医師と同等くらいに病気に関して理解することが大切。
専門的な言葉は獣医師が噛み砕いて説明を。

きちんと理解できるように獣医師は伝えているか?

具体的な検査、治療方法や危険性などを隠さずに説明を。

決定権は飼い主さんにあり良い選択をしてもらえるように支援

どんどん獣医師に質問をしてコミュニケーションを取って欲しい。
逆に言えば、その方法を与えることが出来ない動物病院は育っていない。

動物医療では、”いかに飼い主さんとのコミュニケーションが取れるか”が大事。
獣医療は人と人との関係の中で成り立っていくもの。

獣医師のこころを育てる

治療技術レベルでは無く、”飼い主の身になれるか”という獣医の倫理そのものをもっているかを問う。

ペットロス

原因の幾つかの中に獣医師が絡んでしまうことはやはりある。
人としての思いやり、それも獣医師の責任。



そして最後に筆者の経験談

「私がモモからもらったもの」

筆者が愛犬モモちゃんの重篤な状態を宣告され、手術することになりました。
筆者は、その時に、獣医師にお願いをします。

動物病院で、何か要望があっても、聞きたいことがあっても、言葉に出来ずに言葉が詰まってしまう経験をする人は多いのでは無いでしょうか?
飼い主にとって一番大切なものを、一番大切なことは何なのかを忘れないで下さい。

これから手術という段階で、筆者は、その獣医さんに、 「麻酔管理をしてくれる獣医師を一人連れて来て欲しい」とお願いします。

獣医さんの顔が曇ります。

今の一言は言わなかった方が良かったかもしれない、でも何かあって後で後悔するよりも、いま自分が望んでいることは伝えた方がいい。
その願いは受け止められました。

摘出された腫瘍は悪性。

必死の思いでセカンドオピニオンを求めます。

セカンドオピニオン獣医師が語りかける。
「あなたは私に何がお望みですか?」

びっくりした。
この人には、心の叫びを言ってもいいんだ。
「最後までこの子のそばについていたい。私に何が出来ますか?」

「何も治療方法はありませんが、唯一あなたに出来ることがあります。
つらくってもこの子のために笑っていてあげなさい。
最後まであなたとこの子を支えてあげます。」

この獣医さんに真摯な態度を感じた。
転院しよう。

それを伝えたかかりつけの獣医さんは、「頑張りなさい」と言って缶詰を三缶くれた。

そして愛犬との闘病生活、モモちゃんは力尽きて、大好きな人に囲まれ、大好きな場所で安らかな最期を遂げます。

私達はを家族として、獣医師たちと手を結んでクオリティ・オブ・ライフを守り抜いた。



新聞に掲載されていた獣医師の安楽死についてのコメントです。

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「獣医師には安楽死の措置が認められている。そのためだろうか?

獣医師は医師より死について充分考えてこなかったきらいがあると思う。
安易に安楽死を口にする獣医師がいることも確かである。

ぼくの場合、安楽死の判断基準を自分の中で決めている。

それは家族全員が同意している。

家族全員が介護に疲れ果てている。

生かしても苦しみを長引かせるだけ。

治る可能性がセロに近い。

など、他にもいくつかあるが、その動物が苦しんでいない場合は、
なるべく避けることにしている」

(以下、省略)

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